MENU

学部・大学院

医療行動科学

本学の心理学教室は平成3年に開設され、健康心理学、医療心理学領域の研究を中心に行っている。大学院では、特にコーチング心理学とポジティブ心理学の教育と研究に力を入れている。研究手法としては、質問紙調査や面接調査を通して得たデータの量的および質的分析を用いており、学生には理論と実践の両面の力をつけるように指導している。現在は、ポジティブ心理学の理論をベースとした生活習慣の行動変容と健康増進への動機づけに関する研究、医療面接の分析、医療場面における認知行動コーチングの効果の研究を中心に行っている。

現在の研究テーマ

現在の研究テーマ

コーチング心理学の効果に関する研究

 コーチングは医療の世界では、患者の動機づけを高めたり、目標達成を支援する手法として日本でも広く用いられています。ただ、心理学の一分野として確立し、大学院の正規カリキュラムに組み込まれている欧米の状況と比べると、民間企業のトレーニングに依存している日本のコーチングは、その学術性やエビデンスの確立において立ち後れているといえます。当教室ではコーチングの学習効果を測定する指標として「コーチング・コア・コンピテンシー自己効力感尺度」を開発し、現在は、コーチングの会話分析に取り組んでいます。また、理論的基盤の明確な認知行動コーチングの普及に努めています。

音楽が感情に与える影響とリラクセーション効果

 医療場面における検査時の不安や苦痛のように、避けようのないストレス事態においては、特別なトレーニングを必要とせず、環境の工夫によって簡便に利用できるストレス低減の方法が有効だと考えられます。そこで私たちは「音」に着目しました。研究では作曲家の協力のもと、人工合成音によるリラクセーション効果と、「早く終わってほしい」不快な時間が短く感じられるような主観的時間知覚に与える音の効果を検証し、ストレス場面でリラックス感が得られ、且つ時間知覚が短く感じられるテンポや周波数を明らかにしようとしています。

医療系学生のメンタルヘルスとレジリエンスの向上

 さまざまなストレスや危機から立ち直り、成長する能力のことをレジリエンスと呼びます。医療系の学生は在学中も卒業後の職務でも、さまざまなストレスを経験すると思われます。それを糧にさらに成長できる力を養うために情動的知性(EQ)を高めたり、自分でできる適切なストレスマネジメントの方法を知っておくことは大切です。当教室では、医学部、看護学部の授業の中でマインドフルネスや認知行動療法を取り入れると共に、実践研究として授業効果のエビデンスも積み上げていきたいと考えています。

連絡先

〒573-1010 枚方市新町二丁目5番1号
関西医科大学 心理学教室
電話 072-804-2418(内線2270)

関連

医学部 心理学教室
大学院医学研究科 医学専攻 医療行動科学

ページの先頭へ