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学部・大学院

がん看護学領域

地域に根ざしたがん予防から看取りまで「その人らしく生きる」を支え続ける

■領域概要

 がん医療の分野では、高度先進医療やがんゲノム医療の発展により、治療が長期化・複雑化しています。近年では多くの治療が外来で行われるようになり、地域で暮らしながら治療を受ける人、治療後もさまざまな課題を抱えながら生活する人、そして病院以外の場所で人生の最後の時を過ごす人も増えています。こうした変化の中で、がんに伴う苦痛や心のつらさに加え、生きる意味や人生への問いといったスピリチュアルな苦悩に目を向けるケアも、看護の重要な役割です。 私たちがん看護学領域では、予防・早期発見から治療、緩和ケア、エンド・オブ・ライフ・ケア、グリーフケアに至るまで、患者さん、ご家族の「その人らしさ」を支える看護の実践と教育に取り組んでいます。

 2022年度からは、がん薬物療法看護や放射線療法看護を軸としたがん看護高度実践看護師コースが開設され、専門的な知識と技術に加え、コミュニケーションや緩和ケアの視点をもった看護実践者の養成が始まっています。

白井由紀教授

  医療者とのコミュニケーションは患者さんの治療選択やQOLに大きな影響を与えます。患者さんの価値観を尊重し、最善をともに探求する姿勢が医療者には求められます。私の研究テーマは、がん医療におけるコミュニケーションの向上を目指したプログラム開発や有効性検証です。特に、意思決定に困難を抱えやすいといわれる造血器腫瘍患者さんを対象とした研究を行っています。また、多職種連携が進むがん医療において、看護師が担う役割、看護師が力を発揮できる取り組みについて考えています。

*詳細は、researchmapをご覧ください。

前滝栄子講師

  がん治療の進歩によりがんと付き合いながら長く生活を続けることが可能な時代となっています。このような現状のなか、がん体験者は治療中だけでなく治療後の生活においてもさまざまな課題に直面しながら生活されています。私はこれまでがん看護専門看護師として臨床実践や地域活動を通して、サブスペシャリティである緩和ケアを中心に、EOLケア、スピリチュアルケア、グリーフケアなどの研究に携わってきました。臨床や地域活動での実践知を、⼤学での教育および研究につなげられるよう取り組んでいます。

小川藍助教

  がん治療の3本柱は手術療法・がん薬物療法・放射線治療ですが、いずれか一つの方法で治療を受けるのではなく、それぞれを組み合わせた治療を受けられる患者様が多くおられます。私は化学放射線療法というがん薬物療法と放射線治療を組み合わせた治療を受ける方々の生活・看護を研究テーマとし、治療完遂のために必要な支援や治療前・治療中・治療後を通して必要な看護について考えています。

■教員の研究テーマ

 研究代表者:白井 由紀

  • 造血器悪性腫瘍患者を対象とする質問促進プログラムの有効性と社会実装に関する検証
    日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 2023年4月- 2027年3月
  • 造血器悪性腫瘍患者を対象とする質問促進プログラムの開発と有用性の検証
    日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 2019年4月- 2023年3月
  • 治療不応期の造血器悪性腫瘍患者・家族の意思決定を支えるケアの検討
    学術研究助成基金助成金 若手研究(B) 2011年4月- 2014年3月
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 研究代表者:小川 藍

  • 化学放射線療法により生じた味覚障害の症状経過が頭頚部がん患者の生活の営みに及ぼす影響
    令和4年度大阪対がん協会 がん研究助成奨励金
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■過去に学部生と取り組んだ研究テーマ

  • 入院中の終末期がん患者とその家族の在宅移行に影響する要因
  • がん患者のエンドオブライフケア —アドバンスケアプランニングに関わる病棟看護師の役割—
  • 障がいをもつストーマ造設患者の文献検討
  • 高齢認知症がん患者の療養の場の移行に関する研究の動向
  • 婦人科がん・乳がんの妊孕性に関する看護研究の動向
  • AYA世代のがん患者の家族への支援に関する文献検討
  • がん薬物療法を受ける患者の倦怠感に関する文献検討
  • がん化学療法中の高齢がん患者と家族の治療継続に影響する要因
  • 一般病棟における新人看護師の看取り体験に関する文献検討
  • 外来でがん化学療法を受ける患者に対して家族が行っている療養生活における支援に関する文献検討
  • 化学放射線療法を受けるがん患者に対する 看護研究の動向と課題
  • 治療期にあるがん患者の経済面に関する研究の動向と課題
  • 積極的治療を中止する時期のがん患者と家族の体験に関する文献検討
  • 造血幹細胞移植を受ける患者に対する移植前の看護の現状および課題についての文献検討

■大学院生からのメッセージ

【博士前期課程】

 私は、耳鼻咽喉科頭頸部外科の病棟と外来で勤務し、頭頸部がんの患者さんとともに過ごす中で、力不足や無力感を感じることが多くありました。そのモヤモヤをどうにかしたい、納得のいく看護をしたいという思いから、進学を決めました。この1年間、同じ志を持つ同期や先輩方、先生方とディスカッションを重ね、インプットとアウトプットを繰り返す中で、働きながらの自己学習では得られなかった深い学びを実感しています。臨床での疑問を研究に落とし込む過程も大きなやりがいです。ここでの学びが、過去の後悔や葛藤に少しずつ答えをくれているように感じています。残りの1年も、この環境を活かし、よりよい看護の実践につなげていきたいです。(M2 臼井あかね)

連絡先

■看護学部
〒573-1004 枚方市新町2-2-2
関西医科大学 看護学部
TEL 072-804-0101(代表)


■看護学研究科
〒573-1004 大阪府枚方市新町2-2-2
関西医科大学 大学院 看護学研究科
TEL 072-804-0205、072-804-0207(事務室直通)
E-mail nursing@hirakata.kmu.ac.jp (事務室代表)

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