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学部・大学院

内科学第三

内科学第三講座は消化器・肝臓内科単科で構成されており、上部消化管・下部消化管・肝臓・胆道・膵臓疾患のすべての領域をカバーする最先端医療を提供するとともに、教育・研究にも力を注いでいます。

大学病院の使命は、最新の研究成果に基づいた高度医療を実践することにあります。私たちは、サイエンスとしての医学とアートとしての医療技術の融合を常に意識しながら診療を行っています。また、患者さんおよび医療従事者に対する思いやりを大切にし、高い専門性を有しながらも全人的視点を持つジェネラリストとしての内科医の育成と実践を目指しています。

診療の特色

当講座は大腸疾患、特に炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)の診療において日本有数の専門施設であり、近隣医療機関から難治例や診断困難例を積極的に受け入れています。また、厚生労働省研究班において炎症性腸疾患の治療指針作成責任者として中心的役割を担っています。本学の大腸外科診療の充実にともない、難治性潰瘍性大腸炎に対する大腸全摘術や潰瘍性大腸炎合併大腸腫瘍に対する内視鏡的切除術や外科手術、クローン病に対する腸管切除や肛門病変に対する切開排膿術やドレナージ術も精力的におこなっています。

近年では小腸内視鏡検査の件数も増加しており、小腸疾患の診断・治療にも力を入れています。

肝疾患はポストウイルス時代に合わせ他内科との連携を深めるとともに、肝癌診療では肝臓外科・放射線科と合同しての最適治療解を目指しています。また難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究班の研究協力者施設として積極的に難病疾患への取り組みを行っています。

胆膵疾患においても多数の症例紹介を受けており、高度専門医療を通じて地域医療に大きく貢献しています。さらに、膵がんドック・肝がんドックを開設し、早期発見・早期治療につながる診療体制を構築しています。

附属病院を中心として、総合医療センター、香里病院、くずは病院へも消化器専門医・内視鏡専門医・肝臓専門医を多数派遣し、北河内地区全体の消化器診療の質向上に寄与しています。

各領域の取り組み

上部消化管

食道癌・胃癌に対するESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)では全国有数のハイボリュームセンターとして実績を有しています。咽喉頭癌に対する耳鼻科との合同手術(ELPS)や、十二指腸腫瘍に対するD-LECS・UEMRなど、病態に応じた低侵襲治療を提供しています。さらに、食道・胃静脈瘤に対するEVL・EISなどの内視鏡治療でも高い実績を誇ります。

下部消化管

潰瘍性大腸炎・クローン病に対する専門診療を推進し、難病センターに専門外来を設置しています。妊娠合併例、副作用例、難治例などの高度症例にも対応しています。また、大腸ポリープ・早期大腸癌に対する内視鏡治療や進行癌に対する化学療法も豊富な経験を有しています。

小腸

カプセル内視鏡およびバルーン内視鏡を用いた診断・治療を行い、消化管出血やクローン病などの症例に対応し、広域から患者紹介を受けています。 特にクローン病の狭窄症例に対しては内視鏡的拡張術を積極的に施行しており、低侵襲な治療によって手術回避につながる症例も増えています。

肝臓

肝細胞癌に対しては造影エコーやRVSを活用し、従来困難であった病変に対する局所治療を可能としています。また分子標的薬の導入により進行例の予後改善にも取り組んでいます。さらに自己免疫性肝疾患や非アルコール性脂肪肝に対しても、多職種連携による包括的診療を行っています。

胆膵

総胆管結石に対する内視鏡治療(乳頭切開術+バルーン拡張術)をはじめ、EUS-FNAによる迅速診断、術後再建腸管症例へのバルーン内視鏡ERCP、EUS下胆道ドレナージなど、高度な内視鏡治療を積極的に行っています。膵癌の早期診断体制の構築にも注力しています。

現在の研究テーマ

内科学第三講座では、消化器・肝臓領域の全分野を対象に、臨床と直結した基礎・臨床研究を推進しています。特に、日常診療から得られるリアルワールドデータを基盤とした臨床研究と、分子生物学的手法を用いた病態解明を融合させ、新たな診断・治療法の確立を目指しています。
炎症性腸疾患を中心に、治療戦略の最適化やバイオマーカー開発に関する研究成果を国内外に発信しており、近年では治療ポジショニングに関する臨床・疫学研究や長期予後解析なども積極的に展開しています。

主な研究領域

1.炎症性腸疾患(IBD)

炎症性腸疾患に対する病態解明、新規バイオマーカー開発、治療ポジショニングの確立を中心に、多角的な研究を推進しています。
• 生物学的製剤・JAK阻害薬などの有効性・安全性に関するリアルワールド研究
• 治療反応性や予後を予測するバイオマーカーの探索
• AI搭載内視鏡を用いた潰瘍性大腸炎に対する組織学的評価
• 臨床・疫学データに基づく治療戦略最適化研究(近年も複数の成果を発表)
• 腸内細菌叢と自然免疫の相互作用に関する病態解明
• 血小板機能異常と炎症制御機構の関連
• クローン病腸管狭窄における線維化メカニズムの解明とその治療応用の検討
• 腸管線維化を標的とした炎症性腸疾患難治化のメカニズム解明
さらに、厚生労働省研究班およびAMED研究事業において中心的役割を担い、診療ガイドライン・治療指針の策定を主導しています。

2.上部消化管疾患

上部消化管領域では、内視鏡診断技術と分子生物学的解析を融合した研究を展開しています。
• 特殊光・画像強調内視鏡を用いた咽喉頭領域を含む消化管悪性腫瘍・腺腫・食道静脈瘤の診断精度向上
• 画像強調内視鏡の有用性を検証する無作為比較試験(食道癌・バレット食道)
• 食道癌・胃癌・前がん病変における組織内細菌叢と分子異常の関連解析
• 十二指腸腺腫の発生メカニズムの解明
• 日本人バレット食道における発癌リスク関連分子異常の解析
• 消化管洗浄廃液を用いた食道癌・胃癌のゲノム解析
• 表在型咽頭癌に対する新規内視鏡治療法の開発・成績
• 咽頭癌のゲノム解析
これらは内視鏡画像診断と分子情報を統合した新しい診断体系の構築を目指した研究です。

3.肝疾患

肝疾患領域では、病態解明から治療応用まで幅広く研究を行っています。
• 肝線維化および肝発癌機序の解明
• 自己免疫性肝疾患の病態解析
• 肝細胞癌に対する局所治療法の開発
• リン酸化Smadタンパクを用いたバイオマーカー研究(疾患活動性・治療効果予測)
• 分子標的薬を用いた進行肝細胞癌の治療成績解析

4.胆道・膵臓疾患

胆膵領域では、内視鏡診断・治療技術と基礎研究を融合した研究を展開しています。
• 慢性膵炎と自己免疫性膵炎の診断基準・ガイドライン作成
• 膵癌・膵炎の発症および治療反応と腸内細菌叢の関連
• プロテオミクス解析による膵癌の予後関連タンパクの同定
• IgG4産生機構の解明に関する基礎・臨床研究
• 内視鏡的診断および胆道ステント治療の最適化

5.内視鏡診療の研究

内視鏡診療の質と安全性向上を目的とした臨床研究および基礎研究を推進しています。
• ダブルバルーン内視鏡を用いた胆道疾患の多施設共同研究
• 内視鏡検査における鎮静剤の適正使用に関する医師主導臨床研究
• 小腸内視鏡を用いた好酸球性小腸炎の病態解明に関する研究
これらは患者負担の軽減と医療の質向上を両立することを目的とした重要な研究テーマであると考えています。

 本講座の研究は、
「臨床の課題から研究テーマを創出し、その成果を再び臨床へ還元する」
という理念に基づいています。多施設共同研究や国の研究事業への参画を通じて、リアルワールドデータと分子レベルの知見を統合し、我が国および国際的な消化器診療の発展に貢献しています。

連絡先

〒573-1010 枚方市新町二丁目5番1号
関西医科大学 内科学第三講座
電話 072-804-2757,072-804-2522
FAX 072-804-2061

関連

医学部 内科学第三講座 (消化器肝臓内科)
大学院医学研究科 医学専攻 消化器内科学

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