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学部・大学院

研究情報を更新しました

山縣助教の論文が国際学術誌「Gait and Posture」に受理されました

Relationship of the weaknesses of knee- and hip-spanning muscles with knee compression forces during stair ascent and descent
(階段昇降中の膝・股関節周囲筋の弱化が膝関節圧縮力に与える影響)


Gait and Posture

Yamagata M , Tateuchi H,Asayama A,Ichihashi N


研究の概要:

変形性膝関節症(膝OA)は膝関節に繰り返しかかる圧縮力(KCF)によって進行する疾患で、初期に階段昇降などの機能が障害されます。この機能障害の要因として大殿筋、中殿筋、大腿直筋、広筋群などの筋力低下が挙げられますが、どの筋力の低下が最も階段昇降中の力学的負荷に影響を与えるかは不明でした。
筋力低下と力学的負荷の純粋な関連を調査するために、本研究では10名の健常若年者を対象に階段昇降動作を実施してもらい、筋骨格モデルを用いて内側・外側コンパートメントにかかる膝関節圧縮力(KCFmed・KCFlat)を算出しました。さらに、シミュレーション解析によって大殿筋、中殿筋、大腿直筋、広筋群の筋力を低下させた筋骨格モデルをそれぞれ作成し、同様にKCFmedとKCFlatを算出しました。
解析の結果、大殿筋と中殿筋の筋力低下が階段昇降中のKCFmed増加やKCFlat減少に大きく寄与していたことが明らかになり、内側コンパートメントの軟骨損傷や膝関節痛に関与する可能性が示唆されました。さらに、広筋群の筋力低下は、KCFmedとKCFlatを減少させることが明らかになり、膝関節の不安定性を増大させる可能性が示されました。
階段昇降中の患者の訴えによって、優先的に改善すべき筋力が異なるかもしれません。

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