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学部・大学院

心理学

心理学は人の行動の理解、予測、制御について研究する学問です。心理学教室では医学教育の一環として、心理学の立場から人間の行動を規定する性格、態度、感情、動機づけなどについての研究と教育を行っています。心理学を通して自己理解、患者理解を深め、よりよい医師患者関係やコミュニケーションの形成に役立ててほしいと願っています。

医療に役立つ心理学の教育、研究、実践を目指して

心理学教室では、医学部、看護学部、リハビリテーション学部における心理学の教育、研究、実践を3本の柱としています。教育では、医学部の心理学・人文社会科系科目から構成されるユニット「人と社会」のディレクターとして、医学教育コアカリキュラムに沿った講義と実習を非常勤講師と共に担っています。また、看護学部では「心理学」および「表現とコミュニケーション」を、リハビリテーション学部では講義「心理学」を教室員と共に担当しています。医学部3年生の配属実習でも毎年学生を受け入れ、心理学実験を行っています。

研究は各自がテーマを持ち、(1)コーチング心理学の効果に関する研究、(2)医療系学生のメンタルヘルスとレジリエンスの向上、(3)フォーカシングを用いた対人援助職支援に関する研究、(4)不登校生徒の居場所の研究を行っています。

実践においては、コーチング、レジリエンストレーニング、マインドフルネス、フォーカシングなどを学会・研究会、附属病院医療者、指導医講習会、学生向けセミナーにおいてワークショップ形式を中心に実践し、啓発に努めています。

現在の研究テーマ

コーチング心理学の効果に関する研究

コーチングは医療の世界では、患者の動機づけを高めたり、目標達成を支援する手法として日本でも広く用いられています。ただ、心理学の一分野として確立し、大学院の正規カリキュラムに組み込まれている欧米の状況と比べると、民間企業のトレーニングに依存している日本のコーチングは、その学術性やエビデンスの確立において立ち後れているといえます。当教室ではコーチングの学習効果を測定する指標として「コーチング・コア・コンピテンシー自己効力感尺度」を開発し、現在は、コーチングの会話分析に取り組んでいます。また、理論的基盤の明確な認知行動コーチングの普及に努めています。

医療系学生のメンタルヘルスとレジリエンスの向上

さまざまなストレスや危機から立ち直り、成長する能力のことをレジリエンスと呼びます。医療系の学生は在学中も卒業後の職務でも、さまざまなストレスを経験すると思われます。それを糧にさらに成長できる力を養うために情動的知性(EQ)を高めたり、自分でできる適切なストレスマネジメントの方法を知っておくことは大切です。当教室では、医学部、看護学部の授業の中でマインドフルネスや認知行動療法を取り入れると共に、実践研究として授業効果のエビデンスも積み上げていきたいと考えています。

音楽が感情に与える影響とリラクセーション効果

医療場面における検査時の不安や苦痛のように、避けようのないストレス事態においては、特別なトレーニングを必要とせず、環境の工夫によって簡便に利用できるストレス低減の方法が有効だと考えられます。そこで私たちは「音」に着目しました。研究では作曲家の協力のもと、人工合成音によるリラクセーション効果と、「早く終わってほしい」不快な時間が短く感じられるような主観的時間知覚に与える音の効果を検証し、ストレス場面でリラックス感が得られ、且つ時間知覚が短く感じられるテンポや周波数を明らかにしようとしています。

連絡先

〒573-1010 枚方市新町二丁目5番1号
関西医科大学 心理学教室
電話 072-804-2418(内線2270)

関連

医学部 心理学教室
大学院医学研究科 医科学専攻 医療行動科学

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