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学部・大学院

呼吸器腫瘍内科学

呼吸器腫瘍内科学講座は2022年4月に内科学第一講座より分離独立し、現在は原発性肺がんを中心とした胸部腫瘍の診療や研究を行っています。本講座は胸部悪性腫瘍の診断(気管支鏡検査による生検検査など)および薬物療法を担当し、肺がんの標準的診療を実践しています。外来化学療法センターにおける薬物療法実施件数も附属病院内でトップレベルであり、がん拠点病院としての一翼を担っています。

また、呼吸器外科、放射線科、病理診断科、緩和ケア科、呼吸器・感染症内科を中心に多くの診療科と連携し、がん患者のトータルケアを行っています。

進歩の著しい薬物療法の分野では肺がんに対するさらなる優れた標準的治療確立のための臨床研究を多施設共同で実施しています。さらに、分子標的薬剤や免疫チェックポイント阻害剤といった最先端の新薬の企業治験にも多数参加し、国内外において肺がんの高度専門施設として認識されています。

今後においても高齢化が進みがん患者が更に増加することが予想され、がん診療において当講座が担う役割はさらに大きくなると思われます。今後も当講座の持続的な診療・研究の推進が求められています。

呼吸器腫瘍内科学講座は肺がんを中心とした胸部腫瘍を担当する地域に根ざした腫瘍学専門の講座である。

呼吸器腫瘍内科学講座は肺がんを中心とした胸部腫瘍を担当する講座であり、肺がん、胸膜中皮腫および胸腺腫瘍に対する診療や研究を推し進めています。これらの腫瘍に対する標準的治療確立のための多施設共同臨床研究に参画したり、分子標的薬剤や免疫チェックポイント阻害剤などの新規抗腫瘍薬の企業治験に参画することで、より最先端の治療をより早く地域に提供することを責務としています。また、抗腫瘍薬の治療効果や副作用の予測因子の解明を行い、臨床にフィードバックできる研究を実施しています(トランスレーショナル研究)。抗腫瘍薬とその薬物動態研究とを通じて治療や副作用予測だけではなく、年齢と抗腫瘍薬との関連、体内のリンパ球の動態と免疫チェックポイント阻害剤との関連についての研究も実施しています。

がんは全身のあらゆる臓器と関連し、体内の免疫機能やゲノムの変化とも関連する病気です。当科では今後、臨床研究と基礎研究そしてそれをつなぐトランスレーショナル研究に力を注ぎ、国内はもとより海外にデータを発信していきます。

現在の研究テーマ

原発性肺がんに対する標準的治療確立のための多施設共同臨床研究、新規薬剤の企業治験および医師主導治験

近年、がんに対する治療薬の進歩はめざましいものがあります。そのため、新薬の効果や安全性を評価するための臨床試験研究の重要性が増しており、本講座は積極的にこれらに参画するとともに自らも立案・試験実施を行います。現在は上皮成長因子受容体遺伝子(EGFR)変異陽性例に対する第2世代EGFR阻害剤と第3世代EGFR阻害剤の逐次的な投与の有効性を第3世代阻害剤単剤との比較において検討する比較第2相試験や化学療法や免疫チェックポイント阻害剤の治療歴のある肺扁平上皮がんに対する2nd line治療としてのEGFR抗体と化学療法の併用療法の第2相試験を研究事務局として実施しています。
また、企業が実施する新薬の評価のための国際共同治験にも積極的に参加し、海外の研究者との交流を通じてグローバル化もはかっています。分子標的薬剤や免疫チェックポイント阻害剤、さらには抗体—薬物複合体などの新しい機序を有する薬剤の治験を実施中です。

肺がん治療薬の効果・耐性・副作用を予測するバイオマーカー研究

がんに対する治療薬の効果は以前と比較すると格段に上昇していますが、依然として副作用や耐性を経験します。本講座は治療効果、副作用の予測可能なバイオマーカー研究に力を入れます。特に現在の肺がん治療の中心である免疫チェックポイント阻害剤のバイオマーカーはわかっていません。本講座ではこれまで末梢血の好中球とリンパ球の比(NLR)と免疫チェックポイント阻害剤の効果との相関を検討しました。現在は分子標的薬の効果とNLRの相関の検討もすすめています。Tリンパ球のレパトア解析も共同研究として検討しています。現在は腸内細菌叢が着目されている中、下気道内の細菌叢に着目し、免疫チェックポイント阻害剤の効果・副作用の予測が可能かを検討する研究を準備しています。また、血清中の免疫に関連する各種抗体と免疫療法の治療効果の相関についての解析を実施中です。
がんのゲノム診療も開始され、分子標的薬剤の耐性機序に関する遺伝子異常の変化についても検討を進めています。多施設共同研究からの検体を用いた網羅的遺伝子解析を行い、分子標的薬の耐性機序や効果予測因子の検討を実施中です。

肺がん治療薬の薬物動態研究

がんに対する治療薬の効果や副作用は個人差があります。治療薬が体内に入った際にどのような分布や代謝、排泄(体内動態)がなされているかを検討し、それが効果や副作用とどのような関連があるかを検討します。免疫チェックポイント阻害剤は全身状態や腫瘍量で体内動態が同じ個体でも効果や副作用が異なることが知られています。高齢者や悪液質となった症例に対する免疫チェックポイント阻害剤の効果が乏しいとされており、薬物動態からその原因精査と免疫チェックポイント阻害剤の特徴を検討します。

連絡先

〒573-1010 枚方市新町二丁目5番1号
関西医科大学 呼吸器腫瘍内科学講座
電話 072-804-0101(代表)

関連

医学部 内科学第一講座 (血液 呼吸器 膠原病感染症内科)
大学院医学研究科 医科学専攻 呼吸器腫瘍内科学

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