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学部・大学院

iPS・幹細胞再生医学

iPS・幹細胞再生医学講座は、iPS細胞を中心とした幹細胞研究および、その臨床応用研究に重点を置いた講座として、平成30年4月に開講されました。主としてヒトiPS細胞を用いた分化誘導法の開発と改良、iPS細胞から分化誘導した細胞の基礎研究への応用として病態の解明や新規治療法の開発、さらには再生医療の実践としてヒトiPS細胞由来細胞の臨床応用を目的としています。

本講座は旧衛生学講座を前身として設立されました。関西医科大学衛生学講座は昭和40年に誕生し、徳永力雄先生、薗田精昭先生の尽力によって基盤が確立され、特に研究・教育・臨床においては衛生学のみならず、細胞免疫療法・再生医療を目指したトランスレーショナルリサーチに取り組んできました。半世紀の歴史ある講座で積み重ねられた実績と培われた技術をもとに、新たな展開として再生医学に特化した講座が開設されました。

本講座では、腎臓・内分泌領域の再生医療の実現として、ヒトiPS細胞由来エリスロポエチン産生細胞の臨床応用、内分泌細胞分化誘導法の開発、心臓領域の再生医学研究として、心不全や不整脈治療法の開発研究、血液および免疫疾患に対する臨床応用研究として、造血幹細胞の誘導法開発や純化、免疫疾患の新規治療法開発を行っています。多くの研究者が垣根なく闊達に議論を行い、研究ノウハウや人的・物的資源を自由に共有し、オープンな環境で研究に従事しています。

関西医科大学内外の多くの研究者と協力し、再生医学の拠点となるべく、さらに基礎研究で得た知見を研究室に留めることなく、まず一人から、そして可能な限り多くの患者さんに還元することが出来るよう研究を続けています。

現在の研究テーマ

腎臓・内分泌領域の再生医療の実現

再生医療における腎臓・内分泌細胞の臨床応用を目的として、病態解明と新規治療法開発を行っています。既にヒトiPS細胞からエリスロポエチン産生細胞や副甲状腺細胞を分化誘導することに成功しています。そこで我々が開発したヒトiPS細胞由来細胞を生体に導入することにより、内分泌ホルモンを生理的に補充する研究を行っています。患者自身の体細胞から樹立され、ほぼ無限に増殖する能力を有する多能性幹細胞であるiPS細胞を用いることで、免疫抑制の必要ない内分泌ホルモン産生細胞を大量に作製することが可能であり、今後も需要の増す内分泌疾患や腎性貧血の治療に対して有効な手段になりうると考えています。

病態モデルを用いた病態解明と治療法開発

患者からiPS細胞を樹立し、病態解明と治療法開発を行っています。独自に樹立したヒトiPS 細胞を、様々な臓器の細胞に分化誘導し、疾患モデルを作製しています。従来、ヒトの病気を体外で再現することは難しいとされてきましたが、新たに作製したヒトiPS 細胞を用いた病態モデルで、病気の機序解明を行います。さらに新規治療法を開発し、iPS細胞で得られた研究成果を社会に還元します。

心臓再生医療の高度化

服部文幸・研究教授のグループでは、ヒトiPS細胞を用いた心臓再生医療の高度化を目的とした基盤技術開発と臨床応用で必要とされる技術革新を目指しています。企業との共同研究を通じてiPS細胞自動培養・自動分化装置を開発しています。また、基礎研究の充実として、心臓の創傷治癒反応を制御する技術を開発しています。

医療技術イノベーション

服部文幸・研究教授のグループでは、ヒトiPS細胞を利用しながら、希少・難病治療方法・薬剤の開発を行っています。また、コロナウイルス感染症後遺障害のメカニズム解析と治療方法の開発を行っています。また、運動と健康増進の関連性メカニズムと予防医療の開発を目指し、ヒトiPS細胞を利用した研究を実施しています。さらには、皮膚と掻痒のメカニズム解析と新規治療方法の開発を目指して、ヒトiPS細胞を利用した研究をしています。最後に、ヒトiPS細胞を応用した形成的再生医療の実現を目指した基礎研究を行っています。

造血系・免疫系の再構築および造血幹細胞の純化と特性解明

ヒトiPS細胞由来造血幹細胞の分化誘導法を開発しています。さらに制御性T細胞の再生を目指し、研究を行っています。これらの研究成果を用いた病態モデル作製や、疾患特異的iPS細胞を用いた病態の再現により、免疫疾患や白血病の病態解明と新規治療法の開発を行っています。これまでに本講座で開発した骨髄内直接移植法を応用し、ヒト未分化造血幹細胞を純化する研究を行っています。特異的分子マーカーを探索し、ヒト造血幹細胞支持因子の同定を目指しています。

連絡先

〒573-1010 枚方市新町二丁目5番1号
072-804-0101(代表)
関西医科大学 iPS・幹細胞再生医学講座

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