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学部・大学院

産科学・婦人科学

関西医大の開校と共に昭和6年に開講された講座です。初代の小栄次郎教授以来、奥 孫四郎教授、巴陵宣祐教授、山辺顕彦教授、棚橋 馨教授、風野輝雄教授、山村博三教授、水野潤二教授、椹木 勇教授、神崎秀陽教授、そして現在は岡田英孝教授が担当しています。医療の領域は、妊娠・分娩の管理、女性生殖臓器に関連する悪性腫瘍を含むすべての疾患の治療、性機能異常の治療、生殖内分泌異常や不妊への治療、更年期・老年期障害の治療などです。医学教育や卒後の研修・研究は産科学・婦人科学講座として、診療科名としては、附属病院では「女性診療科」あるいは「産科・婦人科・婦人科内視鏡外科」となっており、関連している診療支援部門として「総合周産期母子医療センター」、「生殖医療センター」、「臨床遺伝センター」があります。また総合医療センターでは「産婦人科」、香里病院では分娩を取り扱わず「婦人科」として診療しています。

女性の健康向上のため、周産期・婦人科腫瘍・生殖内分泌領域で研究に取り組んでいます

臨床の領域は、妊娠・分娩の管理、女性生殖臓器に関連する悪性腫瘍を含むすべての疾患の治療、性機能異常の治療、生殖内分泌異常や不妊の治療、更年期・老年期障害の治療などです。周産期、婦人科腫瘍、生殖内分泌、内視鏡部門の4分野に分け、チームを編成して、研究に取り組んでいます。病気を根本的に治すには医学研究が必須で、そのために臨床医にとっても、科学する心、研究マインドが極めて大切です。生殖臓器や細胞の機能解析、生殖臓器腫瘍の検討を、免疫組織染色、細胞培養に分子生物学的手法を取りいれて研究しています。特に生殖機能の中心的組織である子宮について、流産や早産の防止を目的とした子宮筋の収縮機構研究を各種薬物や外的因子に影響などを中心に解析しており、妊娠成立の要である子宮内膜機能の研究は、性ホルモンによる局所細胞分化機構の分子・遺伝子解析により、不妊症(着床不全)や不育症の診断や治療を展望しています。また、婦人科手術の新たな技術を開発しています。

現在の研究テーマ

1. ラット妊娠子宮筋に対するプロゲステロン(P4)によるnon-genomic actionの作用機序の検討

妊娠子宮筋におけるP4の核内P4受容体を介さず遺伝子発現も伴わないnon-genomic actionの機序を解明し、早産の新規治療戦略の策定に向けた研究基盤の確立を目指す。

2. 前置胎盤における子宮頸部静脈叢(cervical varices : CV)体積と術中出血量の関連性の検討

CVをMRIで定量的に評価し、CVが発達した前置胎盤の特徴を同定する。CVの体積が帝王切開術中出血量の予測因子であるか検討し、治療戦略を策定する。

3. 妊娠中の蛋白尿の多寡と周産期予後との関連性の多施設後方視的検討

当科が主導し20-30施設で、妊娠高血圧腎症(高血圧+蛋白尿)妊婦で後方視的に検討し、わが国の管理方針を策定する。

4. わが国の産科DIC診断基準改訂版(2022年)の有効性・非劣性の検討

当科が主導し多施設で、後方視・前方視的に検討し、有効性、国際基準との非劣性を明らかにし、利用を促す。

5. パルトグラム(分娩経過表)に基づく分娩予後予測因子の解析と人工知能(AI)を用いた深層学習による分娩予後予測モデルの作成

蓄積されたデータを用いて、分娩進行中に最終分娩様式を予測可能か評価し、経腟分娩成功率を導く。分娩経過、患者背景などをAIに深層学習させ、分娩予後予測モデルを作成する。

6. vNOTES/Pneumovaginoscope腟内視鏡応用手術の検討

経腟的内視鏡(vNOTES:Vaginal Natural Orifice Transluminal Endoscopic Surgery, Pneumovaginoscope)を開発し、腟壁腫瘍切除・膣膿瘍切開排膿や神経温存広汎性子宮全摘出術・骨盤内臓全摘出術を実施し、その高い根治性と術後QOLの両立を実証中である。

7. 5-ALA光力学的治療(PDT)の新規治療法の開発

子宮頸部異形成(CIN)2-3に対する光力学的治療の臨床研究のPilot studyが終了し、その有用性と安全性を明らかにする。

8. Surgical smoke研究・COVID-19研究

CINの円錐切除・LEEP治療および子宮頸癌腟切断時に発生するsurgical smokeにはヒト・パピローマウイルスが含まれており、また、大きな社会問題となっているコロナウイルスもsurgical smokeに含まれており、手術を実施する医療従事者への被爆問題が指摘されている。Surgical smokeからこれらのウイルスを定量的に検出するシステムを公衆衛生教室・臨床病理教室と共同で開発する。

9. 子宮内膜機能の制御機構の解明

子宮内膜機能調節機構の一端を解明することを目指して、ヒト子宮内膜においてステロイドホルモンが制御する局所因子の解明の観点から検討を行っている。その結果、これらの性ステロイドホルモンは子宮内膜間質細胞でそれぞれ特異的に制御している因子、つまりエストロゲンにより誘導される血管内皮増殖因子(VEGF)、ケモカインのCXCL12、およびプロゲステロンにより誘導されるInterleukin(IL)-15、Fibulin-1を介して子宮内膜での血管新生、着床能、免疫能、組織構築、脱落膜化などの機能を調節していることを明らかとした。我々の研究成果は、生殖医療のさらなる発展への可能性を秘めており、さらには治療に役立つ戦略の確立を目的とし現在研究を行っている。

10. ヒト卵巣機能に及ぼす喫煙の影響の検討

ヒト卵巣機能の調節機構において、喫煙の影響がどのようにあるのかを検討することを目的とし、ヒト顆粒膜細胞腫株にタバコ煙抽出物を添加して血管新生因子に与える喫煙の影響を評価する。

連絡先

〒573-1010 枚方市新町二丁目5番1号
関西医科大学 産科学・婦人科学講座
電話 教授室 072-804-2769
FAX 072-804-0122

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医学部 産科学・婦人科学講座
大学院 医科学専攻 産科学婦人科学

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