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学部・大学院

iPS・幹細胞応用医学

iPS・幹細胞応用医学講座は、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を含む幹細胞を活用した疾患研究と治療法開発を進めることを目指して、2018年4月に新設されました。体細胞への遺伝子導入による未分化多能性細胞への初期化(リプログラミング)により作製されたiPS細胞は、受精卵由来の胚性幹細胞(ES細胞)とほぼ同様の多能性と自己複製能を獲得しており、再生医療や創薬研究への利活用が期待されています。当講座では、発生学の知見を活かしたiPS細胞の分化誘導技術を基盤とし、これにゲノム編集、イメージング、画像解析等の最新技術を融合させることで、神経疾患の克服を目指した研究を推進しています。

現在の研究テーマ

疾患特異的iPS細胞を利用した病態モデル化による疾患研究、創薬・治療法開発

難治性疾患や希少疾患は、患者数が少ないこともあり、病態研究に必要な生体試料の収集が限られます。なかでも中枢神経疾患や小児疾患などでは患者存命中の試料収集は極めて困難であり、これが研究の推進を阻む大きな原因となっていました。iPS細胞はごく少量の体細胞(例えば血液など)から作製することが可能であり、これまで入手困難であった患者由来試料となり得ます。当講座における研究戦略としては、まず、幹細胞生物学や発生学で蓄積された知見を下に、患者由来iPS細胞から疾患の標的となる細胞や組織を分化誘導する技術を開発します。次に、分化誘導した細胞や組織において疾患に特異的な表現型を見出し、疾患の病態モデルを構築します。さらに、このモデルを駆使し、ゲノム編集等を併用することで、疾患の病態発現のメカニズムを分子・細胞レベルで明らかにするとともに、病態の発現を予防・抑制、あるいは、病態を回復・緩和させる方法を探索します。これにより疾患の病態研究、創薬・治療法開発を推進します。

脳オルガノイドを用いたヒト脳の発生・構造・機能・病態の解明

脳科学の最大目標の1つは、ヒトの脳を科学的に理解し、その知見を神経系の疾患や損傷の克服に役立てることにありますが、これまでヒト脳に関する研究は、MRI などの非侵襲法や、剖検脳やヒト株細胞を用いる手法等に限られてきました。当講座では、ヒトES細胞やiPS 細胞から様々な脳組織を自律的に形成する立体培養技術(脳オルガノイド技術)を開発・改良することで、培養下でヒト脳の形成をできるだけ忠実に再現する手法を確立しようとしています。構築した脳オルガノイドを用いて、これまで技術的・倫理的に困難であったヒト脳の発生・構造・機能・病態に関する実験的研究を推進します。それにより得られる科学的知見を医療応用に展開することを目標にしています。

生体組織の発生・形態・機能・病態解析のための基盤技術の開発

生体組織や多能性幹細胞由来のオルガノイド組織の立体構造・形成過程・機能発現を可視化するイメージング技術を開発すると同時に、そこから得られる大容量多次元データの解析技術を開発します。コンピュータービジョンによる画像解析、最新のAI技術を含めた機械学習技術等を導入し、恣意性を排除した定量的かつ網羅的な自動解析法を開発します。これにより、脳に代表される複雑な臓器の科学的理解・疾患克服のための研究を加速化させることを目指します。

連絡先

〒573-1010 枚方市新町二丁目5番1号
関西医科大学 iPS・幹細胞応用医学講座
TEL:072-804-0101

関連

医学部 iPS・幹細胞応用医学講座
大学院 医科学専攻  脳発生・形成学

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