病理学
当講座では、実臨床で得られた病理組織学的知見を基盤とし、新たな診断法や治療法の開発に繋がる研究を行っています。組織マイクロアレイや次世代シークエンサーなどの技術を用いて、タンパク質から遺伝子レベルまでの幅広い解析を行い、予後や治療選択に関わるバイオマーカーを探索しています。さらに、分子病理学的解析から得られた仮説を、発生工学の手法や生体モデルなどを用いて検証しています。これまで、呼吸器、腎泌尿器、乳腺、女性生殖器、頭頚部領域などの多種多様な癌腫について、発癌機序や転移、癌微小環境などを明らかとし、患者さんの予後改善に繋がる知見を報告してきました。組織透明化技術を用いた立体構築の把握により腫瘍の精密な進展解析を行う研究や、ゲノム解析部門と共同で人工知能技術を用いて診断や予後予測システムの構築にも着手しています。このように、形態異常、タンパク質から遺伝子レベルでの異常を包括して、より良い治療や適切な診断の実現に結び付く、実践的な研究に力を入れています。
また、本学のKMUコンソーシアムの研究課題として、患者由来のオルガノイドの作製にも取り組み、オルガノイドの病態モデルが、正常および腫瘍組織の生物学的特性や治療法の開発に繋がるよう、今後 in vivo実験系において深化させていく予定です。
現在の研究テーマ
研究業績