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部門概要(免疫部門)

免疫部門

抗体は、病原体を認識し、体内から排除する重要な役割を担います。その種類は、1兆種類にもなり、人の遺伝子が2万ということを考えると驚くべき数字です。近年、その多様性を活かし、がんやアルツハイマー病などの疾患に対する抗体治療薬や診断薬が創生されています。

がんの光免疫療法とは、がん細胞を特異的に認識する抗体にがんを殺傷する光感受性化合物を付加した抗体製剤を体内に投与します。製剤が集積したがん組織に光を当てることで、この化合物が変化し、がんを攻撃します。がん細胞は、さまざまな組織で刻々と変化し、多様な顔を持ちます。しかし、この抗体製剤は現在1種類のみです。この療法を用いたがん撲滅実現への鍵は、どれだけたくさんの“武器”となる抗がん抗体を用意できるかになります。

私たちの研究室では、この光免疫療法の更なる進化に2つ方向で拍車をかけます。1つ目は鍵となる “ヒト” 治療抗体ハンティング。2つ目は、ヒト免疫記憶構築の精密な設計図を描くこと。感染、ワクチンに限らず、光免疫療法により誘導される抗がん記憶免疫反応の解明を目指します。

以下のProjectを遂行します。

  1. さまざまながんに作用するヒト抗体の網羅的探索法の開発
  2. ヒトの免疫記憶の成立・維持の機構の解明
  3. 超機能的抗体誘導可能な抗原デザイン
  4. 新規アジュバント探索
  5. 簡易次世代ワクチン開発
  6. 免疫寛容とその制御
  7. 末梢神経系を介した免疫制御機構の解明

関西医科大学は、臨床と基礎の距離が近く、連携が取りやすく、「臨床応用可能な創薬の実現」を目指しやすい環境が整っています。私たちはこれまでのモデル動物の研究に加え、ヒトの免疫研究を進めていきます。医療という形でワクチンがヒトに投与されてから、100年以上が経ちます。どのワクチンも、材料の違いはあるにせよ、あたかも同じコンセプトで作られているように見えますが、持続性、効果などは、どれ一つとして同じではありません。また、ヒトの免疫記憶は動物モデルで示されているほど簡単ではないことがわかってきています。がんに限らず、感染、ワクチンなどによるヒトの免疫記憶の多様性、複雑性について、その謎の解明に挑みます。私たちは、100年先の未来の抗体治療、並びにワクチンの開発を目指します。

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