MENU

  • 里井診療教授の論文が「British Journal of Surgery」から表彰

2020年11月02日

里井診療教授の論文が「British Journal of Surgery」から表彰

論文のアクセプトを伝えるプレスリリース

 本学外科学講座里井壯平診療教授らが執筆した論文「Phase I/II study of adding intraperitoneal paclitaxel in patients with pancreatic cancer and peritoneal metastasis」が、掲載された英国科学誌「British Journal of Surgery」において9月度の「HIGH ALTMETRIC SCORE」に表彰されました。

 ALTMETRICS(オルトメトリクス)とは、論文の評価を同業者(医学者・科学者)による引用(参照)に限らず、ニュースや個人ブログ、ソーシャルメディアなどでの言及、反応も含めて測る新しい尺度です。現在も論文評価基準として重用されているインパクトファクターは、論文公開から一定期間を経ないと被引用数が増えずリアルタイム性に欠ける点、また、学術的なインパクトを測ることはできても社会的な意義や重要性、文化的背景までは評価できない点が課題とされてきました。そうした欠点を克服し、論文の評価を多角的かつリアルタイムに行う新しい指標として生み出されたのがALTMETRICSです。

 今回表彰を受けた里井診療教授らの論文は、腹膜転移膵がんに対する新しい治療法の第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験の結果をまとめたもので、従来の標準治療と比較して治療成功期間や奏効率、病勢コントロール率において高い効果が認められました。また、40%の患者さんでがん性腹水が消失した他、39%の患者さんで腹水内のがん細胞が陰性になるなど、これまで有効な治療法がなかった腹膜転移を伴う膵がんの新たな、かつ確かな治療法として期待が集まっているものです。今回は、そうしたこれまでになかった治療法の確立が近いこと、その効果の高さが社会の注目を浴びたものと考えられます。

 なお、本論文のALTMETRICSは98(2020年9月時点)を記録しています。

ページの先頭へ