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学長賞受賞インタビュー(吉松さん)

看護学部の吉松さんが令和6年度分学長賞〈社会活動賞〉を受賞

本学看護学部の吉松和さんが、2年次に行った災害支援活動などの課外活動での活躍を認められ、令和6年度分学長賞<社会活動賞>を受賞しました。

受賞インタビュー

学長賞を受賞された感想を教えてください。

 学生ができる災害支援活動を学内外で広めてきた取り組みを、このような形で評価していただき、大変嬉しく思っています。活動を共にした先輩・後輩・同級生、そしてご指導くださった先生方や支えてくださった多くの方々に感謝しています。

<社会活動賞>として受賞されていますが、どのような取り組みをされていたのでしょうか?

 ひとつの活動というより、年間を通した取り組みを評価していただいたと感じています。 学内の有志とともに能登半島地震の被災地で支援活動を行い、避難所アセスメント※1などに携わりました。その経験をさらに深めたいと思い、「TOMODACHI J&J 災害看護研修プログラム※2」に参加し、全国の看護学生とともに日米の被災地で災害医療・看護を学びました。

 得た学びは学内でも共有し、活動報告会の開催や、後輩を連れて再び能登を訪問する活動にもつなげました。また、枚方市危機管理政策課や社会福祉協議会の方々と学生による防災活動について協議を重ね、2025年度は本学関連団体として初めて枚方市総合防災イベントへ出展することができました。

 現在は、他大学とも連携しながら、学生でも実施可能な災害への備えを進めています。

(写真:2025年10月17日 学長賞授与式の様子)

※1避難所アセスメントとは
避難所における生活環境や健康リスク、必要な支援ニーズを現地で調査・評価すること。
支援物資の過不足や感染症、要配慮者への対応をいち早く把握し、二次被害や健康悪化を防ぐために行います。

※2「TOMODACHI J&J災害看護研修プログラム」とは
公益財団法人米日カウンシル-ジャパンが運営する看護学生支援プロジェクト。全国の看護学生を対象に日米の災害看護を学ぶプログラムを提供し、将来災害看護分野を牽引するリーダーとなる人材の育成を通して、日本の災害看護全体の基盤強化に貢献することを目的としています。

取り組みを始めたきっかけは何でしたか?

 2024年の元日に発生した能登半島地震、翌日の羽田空港での事故は、自分にとって非常に衝撃的な出来事でした。
 当時は「勉強を頑張ること」が自分の役割だと思っていましたが、被害の映像を見ながら何もできないことに強い無力感を覚えました。資格がなくても、学生でも、できることはあるはずだと思ったことが活動のきっかけです。

能登半島地震被災地での支援活動について教えてください。

 被災地では、避難所アセスメント、長い間お風呂に入れていない高齢者の方の入浴介助、家屋解体の際のごみの運び出しの手伝いなども行いました。大学の演習で経験のあった足浴を行ったときは、感染症や心疾患の兆候がありそうな方がいたら現地の看護師・保健師の方に相談するなど、看護学生としての視点が役立った場面もありました。
 全部で3回被災地に行って活動したのですが、初回は本学の教員に相談し、現地につないでいただくことで活動に参加しました。2回目以降は、被災地で支援を必要としている施設などに自身で交渉し、自分を含めた複数名の有志学生の支援活動を受け入れていただけるよう働きかけ、運営を行いました。
 もともと、人と直接かかわる中でその人に何か良い影響を与えられるようなことをしたいという思いがあって看護師・保健師を目指していたので、現地に行って被災された方に実際に会うことを選びました。

被災地での支援活動の後に参加した「TOMODACHI J&J 災害看護研修プログラム2024」ではどのようなことを経験しましたか?

 このプロジェクトの全国選抜10名の参加者に選んでいただき、約半年間にわたって日米の災害医療・看護を学びました。

 東北の被災地を訪れて日本の災害について学んだほか、アメリカでの研修ではニューヨーク、ニュージャージー、ワシントンD.C.の3州を訪問し、最終的には神戸市で開催された第8回世界災害看護学会国際学術集会にて学生セッションの企画・運営を行いました。

 2週間のアメリカ研修では、専門病院や9.11同時多発テロの現場となった旧世界貿易センタービル跡地(グラウンド・ゼロ)の訪問、消防・救急体制の見学を通して、アメリカの災害医療・看護を学びました。トリアージのやり方など日米でさまざまな違いがあることを学びましたが、アメリカは看護師資格の診療での権限が広い一方、日本の看護はより患者との距離が近く、患者の日常生活に密着した全人的ケアを推進しやすいといった強みがあるように感じ、看護の在り方が本質的に違うように見えたのがなかでも印象的でした。

 こうした両国の違いを理解したうえで、それぞれの良さをいかしながら米国で学んだ内容をどう日本に還元していくべきかを検討し学びを深めました。

(写真:インタビューを受ける吉松さん)

活動の中で、大学での学びが役に立ったと感じたことはありましたか?

 もともと、保健師に興味があり、在学生全員が保健師受験資格を取得可能な本学に入学しました。1年次の最初の授業で学んだ「看護は病を看るのではなく、人を看る」という言葉が、活動するなかでも強く思い出されました。本学では1年次から地域での実習があり、単に病を看るだけでなく対象者の生活から健康をとらえる、という視点を教えていただきました。災害やテロによって人々の生活が壊れてしまったことの影響を目の当たりにし、1年次から学んできたことにすべてがつながった気がしました。
 活動開始当時の自分は2年次で、高度な技術はありませんでしたが、大学で学んだ看護の視点があったことで、被災された方々の生活上の困り事に気づくことができましたし、実際にその気づきが改善につながった場面もありました。
 能登での活動以降は、授業で学ぶ知識と現場での経験を結びつけながら課外活動を続けてきました。

最後に一言メッセージがありましたらお願いいたします

 看護師・保健師を目指す方に対しては、「人に実際に会いに行って話を聞く」ことの大切さを伝えたいです。これまでの活動でも、実際に現地に行ってじっくり向き合って話を聞かなければわからなかったことがたくさんありました。インターネットで情報を得ることは簡単ですが、看護師・保健師は人と向き合う職業であるからこそ、実際に会ってじっくり話を聞くということを大切にして、対象の方を理解していってほしいと思っています。
 また、この学長賞をきっかけに、新たに声をかけてくださる仲間も増えました。
医療系学生は「資格を取るまでは何もできない」と考えがちですが、学生でも学生なりのプロフェッショナリズムを持って社会に関わることはできると思います。
 実際に現場へ足を運び、当事者の声を聞き、そこで得た学びを自分のコミュニティへ還元していく。そうした循環が広がるきっかけになれば嬉しく思います。

吉松さんが代表を務める学生団体WAKAZOが第32回医学会総会に出展します!

日本医学会総会とは:

 1902年から4年に1度開催されている、日本最大規模の医学・医療に関する学術集会です。医療関係者向けの学術集会に加え、一般市民向けの展示や公開講座も同時に実施され、参加者は学術集会が約4万人、市民展示で約50万人にものぼります。

 次回2027年3月に大阪で開催される第32回日本医学会総会で吉松さんが代表を務める学生団体WAKAZOが出展します。

学生団体WAKAZO出展内容:

 WAKAZOは、「誰もがいのちを守りあう、新たな未来を創造する」をミッションに掲げる、全国の医療系大学生を中心とした学生団体です。
 病気や障がいを抱えるこどもたちのもとへ大学生が継続的に訪問し、対話や交流を重ねながら関係性を築きつつ、その中で、お互いから見た相手の魅力や個性を、生成AIと3Dプリンターを活用した自己表現作品「We-con」として形にし、プレゼントし合うというプロジェクトを進めています。
 第32回日本医学会総会市民展示では、完成したWe-conを展示するとともに、こどもたちと大学生が共に築いてきた関係性やそのプロセスを発信します。本展示を通して、多様な個性や背景への理解を深めるとともに、誰もが自分らしく社会とつながることのできる共生社会の実現を目指します。