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修了生メッセージ(博士後期課程 治療看護分野)

現職:関西医科大学看護学部 がん看護学領域 准教授
松井 利江 さん

現在のご職業をお聞かせください。

関西医科大学看護学部に所属しています。治療看護分野がん看護学領域の准教授として2023年4月に着任しました。学部生・大学院生の講義・演習・実習・研究指導をしています。

関西医科大学大学院看護学研究科に進学した理由を教えてください。

博士後期課程への進学を決めるにあたり、まずは通学可能な距離にある大学院を考えました。近畿圏内の複数の大学院を候補として検討していましたが、最終的には、関西医科大学看護学研究科の瀬戸奈津子教授にお会いして看護実践や研究に対する考え方・姿勢に尊敬の念を抱き、先生のもとで博士論文に取り組みたいと思いました。

また、研究フィールドとなる附属医療機関が多いこと、学費の低さも決め手になりました。
他の大学院と比べて良かったと感じるところは、博士論文を完成させるまでに様々な分野の先生方にご指導・ご助言をいただける機会が多いことです。授業以外にも、悩んだときには先生方にご相談し、多角的な視点でアドバイスをいただきました。博士論文の重圧に耐えきれなくなった時、情緒的にも支えていただきました。

関西医科大学大学院での学びや研究が、現在の業務に役立っていることはありますか?

現在、看護学を学ぶ学生さんを教育する立場にありますので、大学院での学び・経験のすべてが現在の業務に役立っているといえます。
私は博士後期課程で卵巣がん患者さんを対象とした研究を行いました。そのプロセスにおいて、多くの文献や資料を調べたり、複数の先生方からご指導いただいたりして、自分なりに結論を導くことができました。このプロセスは、「物事を深く知る」という大学教員にとって非常に重要な力の基盤となったと考えています。さらに、自分の考えを主張し相手に納得してもらうような論述のスキルも鍛えられました。

そして、時間を工面しながら学び続ける苦労や思うようにいかない苦しさや不安を経験したことで、学生の立場に立ち「教育者としてどうあるべきか」と常に自分を振り返るようになったと思います。

在学中に印象に残っている講義科目は何ですか?

「看護と科学」は、看護学発展の歴史を紐解きながら、看護学とは何かを探求する科目です。国内のみならず世界的な動向も含めて俯瞰的に看護を見ることで、これから私たちが看護師・看護学者としてどのような使命を果たすべきかを考えました。受講生が順番にプレゼンテーションを行い議論しましたが、ご担当の先生の広い見識による鋭い質問やご指摘に揺さぶられる刺激的な学習でした。今に至るまで人間がどのように科学を発展させてきたのか、そこには人間として豊かに生きることを追求してきた足跡があり、ワクワクしながら学びました。

「研究計画Ⅰ・Ⅱ」では、博士論文の研究の着想から研究計画の諸段階を複数回プレゼンテーションし、ディスカッションしました。研究指導を担当される先生方と大学院生の前でのプレゼンテーションは毎回とても緊張しましたが、自分の研究の意義が伝わった時はとても嬉しく、モチベーションが向上しました。研究計画を洗練するうえで、とても貴重な機会だったと思います。

実際に入学してみて、本学の魅力だと感じた点をお聞かせください。

第一に、コースワークが充実していることだと思います。
必修科目以外にも選択科目が充実しており、中には博士前期課程と合同の科目もあります。履修科目数が多いと負担になると思われるかもしれませんが、卒業後に看護学博士としてキャリアを積み重ねる上では非常に有意義だと感じています。

第二に、教員の指導体制です。大学院、特に博士後期課程は自立した学習者として、目標に向かって計画的に課題に取り組んでいく必要がありますが、自信を無くして落ち込んでしまうこと、これでいいのだろうかと悩むことが多々あります。そのような時、指導教員は学生が納得できるまで向き合ってくださいました。そして、指導教員以外の先生方もサポーティブで、親密に関わってくださいます。これは、関西医科大学全体の風土なのだと考えており、一番の魅力だと思います。

第三に、関西医科大学の充実したセミナーや講演に参加できることです。最新の知識を得るほか、多様な視点から医学や看護を見つめなおすことは、臨床の場に即した研究を行ううえで不可欠であり、このような機会が多いことはとても魅力的です。

受験生の方に向けて、一言メッセージをお願いします!

博士後期課程は、生涯最後の学生の経験をする場になると思います。もちろん、博士論文を完成させることは一番の目的ですが、学生として学ぶことができるチャンスを最大限に活かし、楽しんでいただきたいと思います。学びたい、看護実践をより良くしたいという気持ちを強く持っていれば、関西医科大学大学院看護学研究科は、とても恵まれた環境だと思います。私は現在、教員として在籍していますが、これからも学生さんと共に学び続け、成長したいと思っています。ぜひ、一緒にこの大学院で学びましょう!