在学生メッセージ(博士後期課程)
治療看護分野
水野 光さん
関西医科大学大学院を選んだ理由をお聞かせください。
私は本学の大学院看護学研究科博士前期課程からそのまま博士後期課程に進学したので、博士前期課程および博士後期課程を選んだ理由について紹介します。
まず、博士前期課程に進学した理由は、私の指導教官の存在があげられます。私は学部生時代の指導教官が大学院に移られたので、博士前期課程の治療看護分野の慢性疾患領域に進学しました。指導教官とは異なる疾患を専門にしていましたが、ディスカッションを重ねるごとに看護は患者さんにとってどのようなことができるのか、考えを深めることとなり、専門性は異なっていても看護の本質はそこにあると感じ、同時に魅力も感じていきました。そういった理由から本学の博士前期課程を選択しました。
また、博士後期課程を選んだ理由には、博士前期課程で自分の視野の狭さを自覚し、看護をもっと学問的に捉えられるようになるためには、さらなる勉学が必要と考えたからです。
本学は他大学院と比較すると歴史は浅いかもしれませんが、それは逆に学生の頑張り次第で大学院のカラーが出来上がっていくことだと思っています。学生として私たちは教えられる立場ではありますが、同時に自分達で考えながら開拓していくという姿勢を持つことができるのが本学の良い点だと考えます。
現在どのような研究をされていますか?
炎症性腸疾患患者さんに看護援助を提供する看護師の能力について研究をしています。炎症性腸疾患の領域では日進月歩で治療が進んでおり、これまで難治例と言われていた方が寛解導入および維持ができるようになりました。しかし一方で、疾患の状態を捉える難しさも生じており、炎症性腸疾患領域に携わる看護師の実践や能力を考えることが喫緊の課題だと認識しました。そこで、私はこれまでの臨床経験および海外研究を含めた文献レビューから、看護師の能力に着目し、炎症性腸疾患患者さんへの看護に必要な看護師の能力を構造化するための研究に取り組んでいます。
印象に残っている講義科目は何ですか。どのようなことを学びましたか。
2021年度開講の「看護学研究法」です。看護学における研究方法はある程度、博士前期課程の段階で熟知していましたが、研究方法のその背景となる根底の思想を考える必要性を学べたことが印象に残っています。研究方法のみを覚えるだけでは、研究疑問に応じた研究方法を選択できないため、看護学における研究方法はとても奥が深いことが学べました。
また、英語の教科書をベースにして講義が展開されるので、翻訳およびそれを自分の言葉でまとめてプレゼンテーションをするのに苦労しました。
関西医科大学大学院看護学研究科の魅力は何だと思いますか?
「看護学」という学問の現状や将来の可能性を知ることができると同時に、自分達がその看護学をどのように発展させていくかの自覚を得られるところが魅力だと思います。今まで自分達は教えられていた立場でしたが、今後は教えていく立場になっていくため、自分達が看護学においてどのような貢献ができるのかを考えさせられています。
また、本学は新設まもなく歴史が浅いところもポイントです。私は既に築き上げられた所で自分を磨くよりも、自分の価値は自分で磨くための環境に身を置くことが重要だと考えています。そのため、自分達の価値を見出せるように導いてくれる教育体制が整っていることは、本学における大きな魅力だと感じます。
大学院修了後は、どのような分野で活躍したいと考えていますか。
慢性疾患の中でも特に炎症性腸疾患領域においてさらに実践を深めたいと考えていますが、最終的には慢性疾患全般に対応できるような看護の本質を掴んでいくことを目標としています。
また、大学院で学んでいることは日本だけでなく海外でも活かせるくらい高度な教育ですので、今後は自分の実践フィールドを日本に限定せず、海外を視野に見据えています。自分の活躍できる場に身を置くのではなく、自分で活躍できる場を開拓していくつもりで海外にも目を向け、自分の可能性を拡げられるように実践・研究フィールドを増やしていきたいです。
最後に受験生の方に向けて、メッセージをお願いします!
大学院ではこれまでの自分の考えの根幹に触れ続けることになるかと思います。その作業は決して楽ではなく、自分の良い面や悪い面に触れ、時に辛いこともあるかもしれません。しかし、批判的な思考力が培われることにより、物事の見方が変わり、これまで見てきた現場の景色が変わっていくと思います。
本学への受験を考えている方、これまで見てきた景色を変えることでこれまで解決できなかったことを解決していくためにも、是非とも一緒に学んでいきませんか。